手を握る事すらできない

劇団 : 劇団時間制作
公演期間 : 2017/11/08 (水)〜19(日)
劇場 : 萬劇場

劇団時間制作第十五回公演
「手を握る事すらできない」

脚本:谷碧仁
演出:谷碧仁

■あらすじ■

…僕が朝賀さんを殺しました。

和拝高等学校の夕方は深くオレンジ色で野球部の声が響いている。
元生徒の村田は重たい口を開いた。

7年前のあの日、朝賀は教室で命を落とした。
未成年の子が事件を犯したと世間は罵る。しかしそこには確実に原因があった。
『いじめ』
幾度となく法律は改正され、体罰が厳しく見られ、過保護な親が増える世の中。
学校という最大に狭い社会で起きる最大の理不尽。
虐めを行う生徒、受ける生徒、繰り返す生徒、変えようとする生徒。
助けようとする教師。
無関心である教室と学校。

…全員狂ってる…しかしこれが正常

テーマは「居場所」
本当の悪人は誰なのか。学校という狭い社会で全ての子供達の青春を描いた圧倒的な現代劇。

多数のお客様から寄せられた再演の声により、今ここに戻ってくる。
新たに書き換えられた脚本、キャスト陣。
今ここに。

■キャスト■
Aチーム
楠世蓮((株)ソニー・ミュージックアーティスツ)
静恵一(サミットクラブ)
溝口優(劇団fool)
西本健太朗((株)PuR/ACT)
髙木薫(オフィス・エイツー)
立花このみ((株)アヴィラ)
竹内麻美(LIVEDOG株式会社)
基村樹利((株)スターレイプロダクション)
上打田内恵美((株)ゴールドラッシュエンターテインメント)
森彩香
鹿島大
島津剣斗(ティーライオット)
相澤香純
藤原冴瑛子
三浦大和
平山さら

佐々木道成(劇団時間制作/ドルチェスター)
平岡謙一(劇団時間制作)

Bチーム
栗原みさ((株)アヴィラ)
西川智宏(ラビット番長/演劇制作体V-NET)
宮地大介((株)タイタン)
堀内華央理(バクステ外神田一丁目)
大平隆行(劇団CATMINT)
倉冨尚人
奥田龍平(S.A.B.カンパニー)
肥沼歩美
久野みずき
きえ(株式会社wood luck office)
高取千鶴
鹿島大
平山さら
三浦大和
小川富行
弓月玲奈
藤原冴瑛子

田名瀬偉年(劇団時間制作)

■スタッフ■
舞台監督:坂野早織(TRP)
美術:向井登子
照明:野口りさ(Lighting Office アルティプラノ)
音響:小町香織
制作協力:小野智美(Office smc)

 

タグは観劇時のAチームのみ

 

 

観劇日 : 11/8

 

 

観劇の感想

 
7年前にとある高校でおきた男子学生による女子学生殺人事件。7年たって少年刑務所からその学生が出所し、ふらりとその当時の高校の教室に現れたところから始まるお話。

舞台の幕が開くと放課後の教室で席に座った女の子に、別の女の子がペットボトルの水をかけていて。「ごめんね。でもやらないと次はわたしの番になるから」というようなことを言いながら水をかける女の子と、だまってかけられている女の子。教室の外の廊下ではそれの二人の姿を見て笑いながらスマホで写真を撮っている女の子たち。
カレモノに出演されていた藤原さんがご出演ということで前知識なしで急きょ見に行ったので、思わぬお話のスタートでした。先生が来たことで去っていく生徒たち。そこに現れた出所してきた元男子学生とその担任であった男性教師。二人の間で 7年前の話が語られていきます。

義務教育期間と高校は先生のスタンスもおそらく明確に違うものでしょうし、大昔のスクールドラマであったような熱血教師も今はいないのかもしれません。劇自体は再演だそうなのですが、教師もただのサラリーマンだという認識が広がってきているけど、親からの過度なプレッシャーや要求も多いんだろうというここしばらく語られている学校、教師の問題、そしていまだ無くならない子供たちの自殺を含めたいじめの問題をまとめて、でも繊細に丁寧に描こうとしている感じを受けました。

一つの教室の中でそれぞれ別のグループからいじめられていた男子学生と女子学生。居場所のない二人が放課後少しずつ話すようになって、きっとそれぞれが支えではあったんだろうけど状況が好転することはなくて。
狭い世界で、一日のほとんどを絶望しかない学校や教室で過ごすしかなくて。先生は頼りにならないし卒業までの我慢とはいえ、あと1年半この状況を耐えて過ごすには辛すぎて。そんなふたりの生徒を演じる役者さんたちがほんとに上手に演じられていました。楠世蓮さんの健気な笑顔は胸がぎゅっとなったなぁ…。
いじめている生徒の役、傍観者の生徒の役、先生の役、それぞれ役にあっている演技で、観ていてとても辛い、悲しい、やりきれない気持ちになりました。

決して爽快感や元気がもらえる!という内容ではないんですが、面白かったし見てよかったなと思えるお話であり劇でした。

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