チンチン電車と女学生

劇団 : 劇団往来
公演期間 : 2017/12/2(土)~3(日)
劇場 : 東京芸術劇場プレイハウス

 

観劇日 : 12/2 18:00

 

観劇の感想
 
 
終戦を迎えるわずか2年前に広島市内を走る路面電車の車掌の人員確保を目的とした「広島電鉄家政女学校」が開校します。その女学校は学びながら車掌業務をした分のお給料がもらえるという制度だったので、広島県内や近県から家庭の事情や女の子だからと進学のままならなかった女の子たちが受験をし、一期生として入学してきました。その入学式からお話が始まります。

食料統制で食べることもままならないなか、親元を離れ勉強と常務のための訓練に励んで行く姿は最初とてもキラキラしていて、休暇のときには市内で映画をみたりあちこち見物に行ったりして辛くともそれなりに楽しく生きているようにも見えました。でもそれは最初のうちだけで、先生や兄弟が徴兵され、病に倒れる親や同級生、疎開していく兄弟など日々過酷になって生きます。そのうち女学生が運転手もしなくてはならないほどに人手が足りなくなって、さらに負担が増していって。当時の路面電車の運転は力が必要なタイプだったそうなので、それを高校生くらいの女の子たちが運転しなくてはいけなかったんだと思うと、本当に大変だっただろうなぁと思いました。お腹も空いているなかでの力仕事だし。
それでも「お国のため」と言いながら大好きな広島のために懸命に常務する女学生たち。音楽劇だったので女学生役の女優さんたちの歌もたくさんあったのですが、元気で可憐で、とてもいい表情で歌われていたので休憩を挟む長いお話だったのですが、最後まで集中してみることができました。

広島市内に空襲がなかったというのをこの舞台で知って、さらに理由もこの舞台で知って…。そのことをのちに知った人たちは一体どんな気持ちだったのか…。戦争だからで許されるものでは到底ないように思いました。こんなひどいことはどんな理由があっても許されるものではないし許せない…。

恋をすることもままならない時代に、いつかお母さんになったらと夢を語った女の子たちが原爆で亡くなってしまう。そして家政女学校の存在も一部の人たちしか知らないものになってしまう…。あんなにも懸命に広島の交通を支えてくれていたのに。
ほんとうに辛い、悲しい…。

戦闘シーンは全くなく、女学生の生活や市井の人々の暮らし、暁部隊の様子でお話が進んで行くのですが、その分、より胸に響いた気がしました。

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